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御神木「橘」

5月初旬から中旬まで、拝殿前の御神木『橘』(タチバナ)が開花します。
「タチバナ」は、ミカン科ミカン属の常緑小高木。別名ヤマトタチバナ、ニッポンタチバナ、九年母(クネンボ)ともいい、日本に古くから野生していた日本固有のカンキツです。
純白色で香の高い小さな五弁の花を木いっぱいに咲かせ、ハナタチバナとも呼ばれます。冬に実をつけます。すっぱいのでそのままでは食用には不向きですが、香りがよいので皮を和え物などに使います。
学名はCitrus tachibanaといい、沖縄のシイクワーサーと2種類だけが日本原産の柑橘種です。シトラスは、さわやかな柑橘類の香りが特徴で、この香りがいつまでも消えないことから、非時香菓(ときじくのかぐのみ〜いつまでも香りが消えない果実)といわれます。
葉も肉厚で常に緑を保ち艶やかであり、永遠性と神秘性を併せ持つ植物として、古代から不老不死の木とされています。
また、シトラスは脂肪細胞のアドレナリン受容体を刺激し、体脂肪の分解・燃焼を促進します。
拝殿前は、心も洗われるような爽やかな橘の香りで満ちています。参拝の折、是非、御神木『橘』の花をご観賞下さい。



小さな小さな花が枝一杯に咲いています
 


清々しい様子は神社によく合います。シトラスの香りが爽やかです。
香りをお届けできないのが残念!!是非ご参拝下さい。
 


心も洗われるよう.....清浄は神道の神髄
 


蝶も蜜に誘われます
 

→開花直前の様子

----------------- 橘の不老不死伝説と菓祖田道間守 -----------------
 田道間守(たぢまもり)は第11代垂仁天皇(BC69)の勅命をうけ、常世(とこよ)の国にある、非時香菓(ときじくのかぐのみ)と呼ばれる不老不死の霊薬を求めるため、海を渡りました。田道間守は、唐、天竺をさまよい、常世国に至って、非時香菓と出会いました。そしてその実を持って急ぎ帰国しました。出発より十年の歳月がたっていました。

 ところが、垂仁天皇は田道間守が帰国する前年、彼のことを九年の間案じつつ崩じられていました。九年母の語源もここから来ています。田道間守は嘆き悲しみ、御陵に非時香菓を献じ殉じてしまいました。この逸話を残す「日本書紀」には、非時香菓は橘であると記しています。

 橘は田道間花(たぢまはな)がつまったものだとの説もあります。橘は花も実も香気が高く、寒暖の別なく青緑の濃い枝葉が常に美しく生い茂り栄えるので、長寿瑞祥の樹として重用されました。中国の宮城、平安京の紫宸殿前庭にも「右近の橘」として植えられています。

永遠を象徴する常緑の橘は家紋としても使用されました。橘紋は実と葉をかたどっているといわれますが、花と葉のようにも見えます。万葉以前には、皮は風邪の薬として用いられていました。
香りがよい非時香菓は菓子の材料としても食され、わが国の菓子のはじまりとされます。田道間守は菓祖(お菓子の神様)とされています。
 
また「文化は永遠である」との昭和天皇のお言葉から、文化勲章は常緑の橘を勲章にしたといわれます。


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