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晴(ハレ)と褻(ケ)

***   神社は最高の晴れの場   ***

 あなたは神社へ参拝する時、どのような服装でお参りしますか?
普段、散歩を兼ねてお参りする時などは、大抵普段着だと思います。履き物もサンダルだったり下駄だったりするかもしれません。観光などでお参りする時も、ノーネクタイやジーンズ、運動靴の場合も多いと思います。
神社はあらゆる人を拒否せず、生活に密着していますからそれで良いのです。

 
それでは、例えば赤ちゃんの初宮詣や、七五三詣、成人式などの際はいかがですか?
そのような日のことを、『晴れの日』といいます。はれがましく、表向きで、正式、おおやけの日である意味です。
英語ではformalが同様の意味です。
そんな日に、あなたはどのような服装でお参りしますか?
普段と同じ、ジーンズに運動靴でしょうか?

 実はそんな『普段』のことを、『褻(ケ)』といいます。
おおやけでないこと、よそゆきでないこと、日常のことの意味です。

 当然、『晴れ』の日と『褻』の日は、心構えも身なりも異なる準備をします。
考えて見て下さい。今、日常でformalな日というのは、結婚式くらいしかないかもしれませんが、結婚式へジーンズと運動靴で出席するでしょうか。
やはり、TPOに合わせて身なりを整えるでしょう。
その「TPOに合わせる」ということが、「晴れと褻を分ける」ということなのです。

 残念なことに、最近その区別が無くなって来ています。
大切な子供のけじめのお祝いの日に、普段と同じジーンズとTシャツ、運動靴の親の姿が見られます。
 
神社の拝殿に上がり、神さまの前で御祈祷を受け、お祈りをするのは、最高にformalな行動なのです。それは七五三詣などのお祝いだけに限らず、厄祓、家内安全祈祷など、昇殿して参拝する時も同じです。
 
神社は最高にformalな場なのです。大切な場に、裸足で出かける事が無いように、拝殿にも裸足で上がることはTPO違反です。

 
「晴」と「褻」、「formal」と「informal」を分け、TPOを大切にすることは、決して堅苦しいことでは無く、子供の心に自制心を育て、私たちの生活にけじめをつけ豊かにします。
TPOは和製英語ですが、「時」と「所」と「場合」の意味です。日本では「時処位」といってきました。「時」と「所」と「立場」です。
晴れの日と褻の日を分け、晴れの場と褻の場を分けて暮らしてみて下さい。
 人は、形を整えることで心も整う生きものなのです。
(宮司からの託け)

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