七五三詣のご案内

七五三祝と千歳飴の由来
−−− 幸福を保つ秘密と、幸福を減らす秘密 −−−

 七五三の祝いは、江戸期、天和元年11月15日(1681年12月24日)に第5代将軍徳川綱吉が長男徳川徳松の健康を祈って始まったとされ、以後元禄の頃に盛んになった行事で、男女三歳は髪を伸ばし始める「髪置(かみおき)」、男子五歳は初めて袴をつける「袴着(はかまぎ)」、女子七歳は、付け紐の着物に代わって、本仕立ての着物と丸帯という大人の装いをする「帯解(おびとき)・紐落(ひもおとし)」の意味があり、それぞれ成長の区切りとして感謝し祝う行事です。

 子供が健やかに成長するのは、本当は人の力のみでは不可能な事は親ならば誰でも実感しています。 私たちは皆、『何か偉大な力(something great)』に護られて生きています。その力に感謝し祝うのが、七五三のような人生儀礼です。

 日本では、長く「数え」で年を数えてきたので、現在も七五三のような古くからの行事では「数え年」で行う事が多いのですが、これは「習慣」によるものですから、現在の習慣である「満年齢」によって行っても差し支えありません。

 
千歳飴は、やはり元禄の頃に浅草で売り出されたのが始まりとされています。
子供の背丈にくらべて飴の袋は大変長いものになっており子供が引きずっているように見えますが、実はそれにも理由があります。それは親が子に寄せる
『細く長く、健康な人生を』という長寿の願いが込められているからです。縁起が良い紅白の飴になっており、袋に長寿のシンボルである鶴亀や松竹梅などの縁起の良い絵が描かれているのも、全ての親の願いが象徴されています。
千歳飴は子供に食べさせると共に、内祝いとして親戚・近隣などに贈り、福を分けます。
 
福(幸福)は、分けることで決して減ることはありません。福を減らす原因は独り占めにあり、福を保つ秘訣は分けることにあります。『情けは人の為ならず』、『A Kindness is never lost(親切は無駄にならない)』、の言葉はその真実を良く表現しています。